ハローワークでは求人情報を無料で登録することができ、基本手当を受給するときに求職の登録を行った人等を中心に、全国の求職者に求人情報が提供されます。この求人情報は、求人者が希望することにより「ハローワークインターネットサービス」上でも公開されます。今回、このハローワークインターネットサービスの機能が強化されたことから、この内容を確認しましょう。
[1] オンラインハローワーク紹介
ハローワークで求人を募集する際、企業はオンライン上でハローワークのサービスを受けられる専用のページ「求人者マイページ」を開設することができます。
この求人者マイページを通じて、ハローワークからオンラインで職業紹介を受けることができ、求職者とのやりとりも完結できるようになりました。このオンラインハローワーク紹介は、ハローワーク職員が、これまでの職業相談を通じて、希望する求人条件等を確認している人を対象に、求人との適合性を判断した上で行うサービスになり、オンラインハローワーク紹介を希望した場合も、すべての人に対応できないことがあります。
また、応募者の情報を一元的にデータで管理できるため、個人情報の管理における利便性が高まりました。[2] 応募書類の管理や採否入力の効率化
求職者がオンラインで応募した場合、求人者マイページ上で応募者の志望動機や応募書類等を確認することができます。求人者マイページには、求職者にメッセージを送る機能(メッセージ機能)があり、応募者と面接日時等の調整ができます。また、これまで求職者のメールアドレスを個別に確認し行っていたやり取りを求人者マイページ上で運用できます。なお、求職者やハローワークへの選考結果の通知や管理もできます。[3]オンライン自主応募
ハローワークでの職業紹介は、求職者がハローワークを通じて(ハローワークの職員を介して)行うものでした。この仕組みについて、求人情報を確認した求職者からの応募を直接受けることができるようになりました(オンライン自主応募)。
このオンライン自主応募はハローワークに求職登録をしている求職者に加え、ハローワークインターネットサービスのみに登録している求職者も利用できます。より広くの求職者からの応募が期待されます。オンライン自主応募を受け付ける場合、2021年9月21日より前に登録された求人については、「オンライン自主応募を受け付けない」に自動設定されているため、求人者マイページから求人条件変更の手続きを行う必要があります。
このオンライン自主応募の留意点は、ハローワークによる職業紹介に該当しないため、ハローワークの職業紹介を要件とする雇用保険の再就職手当等の対象外となります。また、企業においても求職者を採用したときに受給できるいくつかの助成金について、ハローワーク等の職業紹介を要件とする助成金は要件を満たすことができず、受給対象外となります。助成金の活用を念頭においた求人を行う場合には、留意しましょう。
ハローワークでの求人は無料で行うことができる点が企業にとって求人活動を続ける中での大きなメリットです。民間企業による多くのサービス提供もされていますが、オンラインサービスが強化され、利便性が高まったハローワークでの求人を検討してもよいかもしれません。
■参考リンク
厚生労働省「2021年9月21日からハローワークインターネットサービスの機能がより便利になります!」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20400.html
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「サイト運営者からのお知らせ(詳細)」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。