採用においては公正な採用選考が求められ、応募者から提出させる応募書類には、就職差別につながるおそれのある事項を含まないようにすることが求められています。今回、この応募書類のひとつである履歴書について、厚生労働省が新たな様式例を作成しました。
[1]新たな様式例を作成した背景
厚生労働省では、これまで新規学校卒業予定者以外の応募者については、一般財団法人日本規格協会(以下、「日本規格協会」という)がJIS規格の解説の様式例において示していた履歴書の様式例を使用することを推奨していました。2020年7月に日本規格協会が、JIS規格の解説の様式例から履歴書の様式例を削除したため、厚生労働省で履歴書の様式について検討が行われ、新たな履歴書様式例が作成されました。
採用選考時に使用する履歴書の様式は、この様式例を参考にしつつ、公正な採用選考をするよう厚生労働省は周知しています。なお、履歴書の様式にこの様式例と異なる記載欄を設ける場合は、公正な採用選考の観点から特に留意が必要です。
[2]厚生労働省の履歴書様式例とJIS規格様式例の相違点
厚生労働省の新たな履歴書様式例と、従来のJIS規格様式例の相違点は以下の2点です。
履歴書以外に、企業独自で応募書類を作成したり、インターネット上のホームページの中にエントリーシートを設定したりしている場合もあるでしょう。そうした書類等に、就職差別につながるおそれのある項目が含まれていないか、併せて確認し問題がないように見直しましょう。
■参考リンク
厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_kouseisaiyou030416.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。