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次世代法の一般事業主行動計画策定と指針改正

 次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整備するために、国、地方公共団体、企業、国民が担う責務を明らかにすることを目的として次世代育成支援対策推進法(以下、「次世代法」という)が制定され、2005年4月1日に施行されました。当初は10年間の時限立法でしたが、法改正により2025年3月31日まで10年間延長されています。さらに、2021年2月には次世代法に基づく行動計画策定指針(以下、「指針」という)が改正され、2021年4月1日より適用となったことから、ここでは次世代法の内容と改正された指針をとり上げます。

[1]行動計画の策定
次世代法では、常時雇用労働者数101人以上の企業に対し一般事業主行動計画(以下、「行動計画」という)を策定し、一般への公表および従業員への周知を求めており、さらに行動計画を策定した旨を、都道府県労働局に届け出ることを義務としています(100人以下の企業は努力義務)。
行動計画の内容は各企業で検討し、決定することになりますが、従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などにとり組むにあたって、「計画期間」、「目標」、「目標を達成するための対策の内容と実施時期」を盛り込むことになっています。

[2]行動計画策定指針の改正
行動計画の策定においては、指針の「一般事業主行動計画の内容に関する事項」に掲載されている項目を参考にするとよいでしょう。今回の改正により、行動計画に盛り込むことが望ましい事項として、「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」が追加され、以下の内容が盛り込まれました。

  1. 不妊治療のために利用することができる休暇制度(多目的休暇を含む)、半日単位・時間単位の年次有給休暇制度、所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、テレワーク等の導入や、その他の措置を講ずる。
  2. 1.の場合、以下の取組みを併せて行うことが望ましい。
    ・両立の推進に関する取組体制の整備
    ・従業員に対するニーズ調査と、その結果を踏まえた措置を講ずること
    ・企業の方針や休暇制度等の具体的措置について従業員への周知、社内の理解促進、相談対応の実施
  3. 休暇制度等の運用にあたって、不妊治療に係る個人情報の取扱いに十分留意することが必要。

厚生労働省では働きながら不妊治療を受けられるように、不妊治療と仕事の両立を支援しています。中小企業を対象に両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)を設けたり、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」を厚生労働省のホームぺージに公開したりしています。この機会に、関連する情報をみてみましょう。

■参考リンク
厚生労働省「次世代育成支援対策推進法が10年間延長され、新たな認定制度が創設されます!」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/dl/kurumin_leaflet.pdf
厚生労働省「不妊治療と仕事の両立のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14408.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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