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引下げとなる2021年度の年金額と 脱退一時金の制度変更

 年金額は、物価水準に連動して原則毎年度改定されており、2021年度の年金額が厚生労働省から発表されています。4月より脱退一時金制度が変更されたことから、これらの内容について確認しておきましょう。

1.引下げとなる2021年度の年金額
2021年度の年金額は、2020年度よりも0.1%引下げられることになりました。この年金額は総務省の物価変動率および名目手取り賃金変動率により決定されます。例外的な取り扱いとして、賃金と物価の変動率がともにマイナスで賃金が物価を下回る場合、物価に合わせて年金額を改定し、賃金のみマイナスの場合には、年金額を据え置くとされていました。2016年に成立した年金改革法によりこの例外的な取り扱いが改められ、賃金が物価を下回る場合には、賃金に合わせて年金額を改定するように見直され、2021年4月より施行されました。
この結果、2021年度の年金額は、物価変動率が0.0%、名目手取り賃金変動率がマイナス0.1%であったため、0.1%の引下げとなり、以下のようになります。

□国民年金(老齢基礎年金:1人分)
月額65,075円(▲66円)
□厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)※
月額220,469円(▲228円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。

2. 脱退一時金の制度変更
脱退一時金とは、日本国籍を有しない人が国民年金または厚生年金保険の被保険者資格を喪失し日本を出国した場合、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求することで一時金が支給される制度です。
特定技能1号の創設により期限付きの在留期間の最長期間が5年となったことや、近年、3~5年滞在の外国人比率が増えてきていること等を背景に2020年の年金制度改正法により改正され、脱退一時金の支給額計算に用いる支給上限月数の見直しが行われました。その結果、2021年4月から(同4月以降に年金の加入期間がある場合)、支給上限月数が36ヶ月(3年)から60ヶ月(5年)に引き上げられています。

このほか、2021年度の在職老齢年金に係る支給停止調整額等については、2020年度と同じ額で変更ありません。年度が変わり、金額等の見直しが行われているものがあるため、一度情報を確認しておきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「令和3年度の年金額改定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000191631_00010.html
日本年金機構「脱退一時金の制度」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html
厚生労働省「令和3年度の年金額改定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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